
【Blazor】 SignalRのまとめ
- SignalRとは?
- SignalRを切断してみる1
- SignalRを切断してみる2
- SignalRの接続オプションをカスタマイズする
- まとめ
目次
SignalRとは?

SignalRは、ブラウザ-Webサーバ間で、リアルタイムで双方向通信を可能にするための仕組みです。
通常ブラウザからWebサーバーへリクエストを送信し、返却されたレスポンスをブラウザ側へ反映するのに対し、
SignalRでは、常時接続されているため、サーバーからブラウザへ直接データを反映することができます。
Blazorでは、このSignalRをASP.NET Core SignalRというライブラリを使って実装しています。 詳細は公式ドキュメントから確認することができます。
公式ドキュメントはこちらSignalRを切断してみる1

ネットワーク環境が悪い場所では、SignalRの接続が切れる可能性があります。 SignalRの接続が切れたときの挙動をテストするには、ローカル環境では再現が難しいです。
そこでコードを実行して疑似的に回線を切断することで、切断時の挙動を再現することができます。
以下サンプルコードになります。
@page "/" @inject IJSRuntime JSRuntime <button class="btn btn-primary d-block mb-3" @onclick="ForceCloseConnectionAsync">SignalR切断(再接続の設定がされている場合は、切断後に再接続を試みる)</button> @code{ /// <summary> /// SignalRの接続を切断(ただし、再接続の設定がされている場合は、切断後に再接続を試みる) /// </summary> private async Task ForceCloseConnectionAsync() { await JSRuntime.InvokeVoidAsync("forceCloseConnection"); } }
/* SignalRの接続を切断(ただし、再接続の設定がされている場合は、切断後に再接続を試みる) */ function forceCloseConnection() { Blazor._internal.forceCloseConnection(); };
SignalRを切断するには、javascriptを呼ぶ必要があります。Blazorからjavascriptを呼びだす方法については、以下の記事を参照してください。

JavaScriptを呼び出し方
BlazorでWEB開発は主にHTML, CSS, C#を使用しますが、JavaScriptの利用も避けられない場面がある。JavaScriptをBlazor内で呼び出すためには、IJSRuntimeサービスを利用する。IJSRuntimeを用いることで、C#からJavaScriptの関数を非同期的に実行可能。例として、ボタンクリックでJavaScriptのアラートを表示する方法を説明。BlazorでのJavaScript使用は最小限に留めるべきだが、必要な場面での知識は重要。
更新日:2023/07/19
javascriptでBlazor._internal.forceCloseConnection();が呼び出すと、SignalRを切断することができます。
実際にSignalRを切断してみると以下のようになります。

デフォルトでは、SignalRを切断すると、自動で再接続を試みる仕様になっています。 白いモーダル画面は、再接続を試みている画面になります。
このようにして、SignalRの接続が切れた際の挙動をテストすることができます。
SignalRを切断してみる2

前セクションではSignalRを切断すると、自動的に再接続を試みていましたが、 切断後に再接続を行わない方法もあります。
以下サンプルコードになります。
@page "/" @inject IJSRuntime JSRuntime <button class="btn btn-primary d-block mb-3" @onclick="DisconnectAsync">SignalR切断(再接続の設定がされていても、再接続されない)</button> @code{ /// <summary> /// SignalRの接続を切断(再接続の設定がされていても、再接続されない) /// </summary> private async Task DisconnectAsync() { await JSRuntime.InvokeVoidAsync("disconnect"); } }
/* SignalRの接続を切断(再接続の設定がされていても、再接続されない) */ function disconnect() { Blazor.disconnect(); }
前セクションと異なるのは、javascriptでBlazor.disconnect();が呼ばれている事です。この関数の場合は、SignalRを切断する点は同じですが、切断後に再接続を試みません。
実際にSignalRを切断してみると以下のようになります。

ボタンを押下すると、SignalRは切断されますが、再接続を試みる白いモーダルは表示されません。
SignalRが切断されている状態なので、Blazorを操作しようとすると、当然ですがエラーになります。
SignalRの接続オプションをカスタマイズする

Blazorでは、アプリケーションを開始した際に、デフォルト設定でSignalRが自動的に接続されます。
これを自動接続するのではなく、javascriptから明示的にSignalRを接続することで、オプションを設定することができます。
まず、SignalRの自動接続を無効にします。以下サンプルコードになります。
@using Microsoft.AspNetCore.Components.Web @namespace Blazor_SignalR.Pages @addTagHelper *, Microsoft.AspNetCore.Mvc.TagHelpers <!DOCTYPE html> <html lang="en"> <head> <meta charset="utf-8" /> <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0" /> <base href="~/" /> <link rel="stylesheet" href="css/bootstrap/bootstrap.min.css" /> <link href="css/site.css" rel="stylesheet" /> <link href="Blazor_SignalR.styles.css" rel="stylesheet" /> <component type="typeof(HeadOutlet)" render-mode="ServerPrerendered" /> </head> <body> @RenderBody() <div id="blazor-error-ui"> <environment include="Staging,Production"> An error has occurred. This application may no longer respond until reloaded. </environment> <environment include="Development"> An unhandled exception has occurred. See browser dev tools for details. </environment> <a href="" class="reload">Reload</a> <a class="dismiss">🗙</a> </div> @* 以下scriptタグにautostart=falseの属性を付与する *@ <script src="_framework/blazor.server.js" autostart="false"></script> <script src="js/signalr.js"></script> </body> </html>
_framework/blazor.server.jsへautostart="false"を付与することで、SignalRが自動接続されなくなります。
続いて、SignalRを接続するコードを書いていきます。以下サンプルコードになります。
/* Blazorを手動で開始(SignalRを接続する) 事前に_Layout.cshtml の以下の箇所を修正する必要あり(autostart="false" 属性を追加) <script src="_framework/blazor.server.js"></script> → <script src="_framework/blazor.server.js" autostart="false"></script> */ Blazor.start({ reconnectionOptions: { maxRetries: 3, // SignalRが切れた場合、再接続の最大試行回数 retryIntervalMilliseconds: 2000, // どのくらい感覚を空けて再接続を試みるか(単位:ミリ秒) } });
Blazor.startメソッドを実行することで、SignalRを接続することができます。 また、引数を設定することで、SignalRが切断された際のオプションを設定することができます。
maxRetriesは、再接続を最大何回までチャレンジするかを指定できます。今回は最大3回に設定しています。
retryIntervalMillisecondsは、どのくらい間隔で再接続チャレンジを行うかを指定できます。 今回は2000ミリ秒に設定しています。
SignalRを切断してみると、以下のような画面になります。

画像の赤枠部分には、コードで指定した再接続の最大試行回数が表示されるため、3になっています。 ちなみにデフォルトは8です。
まとめ

今回はSignalRについて解説しました。 案件によっては、SignalRのカスタマイズが必要になる場合もありますので、参考にしてみてください。
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